【アディクシーカラーとは?】特徴を現役美容師が徹底解説!
美容師をしているものです。
世の中にはたくさんのカラー剤が溢れていますが、ここ数年で特に増えてきて最近ではSNSの発達もあってか、一般の方からの問い合わせで
「こちらの美容室では◯◯◯のカラー剤って取り扱ってますか?」
など、カラー剤の固有名詞を問い合わせてくるパターンも本当に増えてきました。
しかしながら、カラー剤の種類がありすぎて自分がやりたいカラーはどのカラー剤が適しているのかイマイチわからなくて、どのカラー剤を扱っているお店に行けば良いのかなどわからなくなってしまう方も多いのでは…?
そこで今回の記事では全国的にも大人気の「アディクシーカラー」とは?について現役美容師である私が一般の方にも出来るだけわかりやすく徹底的に解説していきます。
アディクシーカラーとは?
「アディクシーカラー」とは、株式会社ミルボンから発売されている「オルディーブ アディクシー」というカラー剤のシリーズの通称になります。
株式会社ミルボンは「エルジューダ 」や「ジェリーM」など人気の商品を数々産み出している美容業界やちょっと美容好きな人であれば知る人ぞ知る会社です。
※エルジューダとジェリーM についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
アディクシーのカラー剤のコンセプトが「ブラウンまでもかき消して、もっと自由に、思いのままに。」というだけあって、徹底的にブラウンを排除するためにつくられたカラー剤なのです。
ブラウンをかき消してくれると言うのは、ここ数年大人気の赤みのない外国人風なヘアカラーを実現させるためには非常に効果的なカラー剤になります。
【アディクシーカラーの特徴】なぜブラウンをかき消すことが出来るのか?
日本人の黒々とした髪の毛は、明るくしていくとどうしても赤の色素が多く残り赤みの強いブラウンっぽさが出てしまいがちです。
何回も何回もヘアカラーを繰り返して髪の毛が明るく退色していくと赤みが薄まりオレンジっぽいブラウン→そしてオレンジが薄まり黄色っぽいブラウンと変わっていきます。
黄色っぽいブラウンまでトーンが明るくなってしまえばある程度外国人風な綺麗な発色は可能ですが、ここまでいくには元々の髪質によってはかなりの回数のヘアカラーが必要になってしまいます…(すなわち黒髪からほんのり明るくするような暗めなヘアカラーで赤みを軽減することは難しいのです。)
※髪の毛のトーンについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。→→→【美容師が教える】ヘアカラーのトーンやレベルって?
ここ数年の外国人風な赤みのないヘアカラー人気もあって、各社髪の毛の赤みを軽減するようなカラー剤を発売していますが、美容師目線での感覚だとこのアディクシーカラーは断トツで髪の毛の赤みが出にくいカラー剤だと思います。
アディクシーカラーで発売されているどの色味も、青の発色に適した発色調整成分を使用する事で「ブラウンを消すことにこだわって青みの強い配合」になっています。
※アディクシーカラー公式パンフレットより引用
上記のパンフレットを見てもお分かりいただけるように染料構成がブルー多めのつくりになっています。
黒髪からほんのり明るくするような暗めなヘアカラーをする場合でも、しっかりと赤みをかき消した外国人風な色味を表現する事が可能なカラー剤です!
(特にこの「サファイア」という色味に関しては、色味が青のみで構成されています!)
アディクシーカラーのカラーチャート
※ミルボンアディクシーカラー公式サイトより引用
スタンダードライン
スタンダードラインとして、各色味(3/5/7/9/13トーン)が発売されています。日本人の黒髪の平均と言われている4〜5トーンよりも暗い、3トーンまで発売されているので、もちろん白髪染めにも対応可能です。
- グレーパール(ほんのり青味のあるモノトーン)
- コバルトブルー(クリアなネイビーアッシュ)
- サファイア(クリアなブルーアッシュ)
- エメラルド(やわらかさのあるカーキ)
- アメジスト(青味のあるバイオレットアッシュ)
- パープルガーネット(青味のあるクリアなパープル)
- シルバー(ほんのり紫味のあるモノトーン)
- スモーキートパーズ(ほんのり紫味のあるベージュ)
- ※クリア剤(上記各色味を薄める薬剤 0/13トーン)
クリエイティブライン
スタンダードラインの各色味を強めたり、染める前の髪の毛のトーン補正用などに使えるクリエイティブラインとして4色が発売されています。
- レッド(デザインを引き立てる高彩度レッド)
- ブラウン(トーンダウンで使用するブラウン)
- ブルー(デザインを引き立てる高彩度ブルー)
- ゴールド(デザイン幅を広げる寒色ゴールド)
ディープライン(2020年5月に新登場)
暗めのヘアカラーでも透明感を出すことが出来る、白髪染めも可能なシリーズです。
- ディープブルー
- ディープパープル
- ディープシルバー
通常のよくある白髪染めカラーとは異なり、ブラウンの染料を使わずに作られているため、白髪染めでも透明感のある仕上がりになるのが特徴です。
※ディープラインについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています→→→【アディクシーカラー】白髪染め「ディープライン」が新色として登場!
ペールライン(2020年9月に新登場)
特にブリーチ毛に対して淀みのない淡い綺麗な発色を叶えてくれるペール系カラーとして7色が登場しました。
- ペールベージュ
- ペールシルバー
- ペールブルー
- ペールカーキ
- ペールオレンジ
- ペールピンク
- ペールバイオレット
今までのアディクシーカラーには存在しなかった「オレンジ・ピンク」がラインナップに加わり、色選定の幅が拡がる事になりました。
基本的にはブリーチ毛を想定したラインナップになっているので使い方には注意が必要ですが、ブリーチを使用したダブルカラーはもちろん、ポイントカラーやインナーカラー、バレイヤージュなどに対してのオンカラー薬剤としてもとても活躍してくれる事になるでしょう。
※ペールラインについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています→→→【アディクシーカラー】ペールラインの新登場でブリーチ毛への淀みないヘアカラーが可能に!
ネイキッドライン(2021年秋に新登場)
これまでのアディクシーカラーでは表現の難しかったニュアンシーなベージュ系カラーを表現するために新たに3色が追加されました。
- ネイキッドウォーム
- ネイキッドサンド
- ネイキッドコーラル
ブラウンを使用していないブラウンフリー設計となっているため、非常に透明感のあるベージュ系カラーが可能になります。早速ネイキッドサンドをベースに使用した実際のヘアカラー写真がこちら。
スモーキーな質感の柔らかいブラウンとしても使えそうなカラー剤です。
アディクシーカラーを使用してみての美容師目線での感じた特徴
ブラウンをかき消すというだけあって、色味が非常に濃く配合されています。それはつまり数あるカラー剤の中でもじゃじゃ馬的な位置付け…
そのため、もしも担当の美容師さんが薬剤選定を間違えてしまうと濃く発色し過ぎるという事があるかもしれません。
よって、アディクシーカラーをするときは、「ちょっと染まりやすい方である」や、「いつも色が抜けやすい方である」などの、ご自身の髪質をよく理解されている美容師さんにお願いして絶妙な調整をしてもらうのがベストだと思います。
また、色味が濃く配合されているため色持ちが非常に良い印象です。他のカラー剤と比較して、プロ目線でも色抜けしづらいカラー剤だと思います。
そして、特に感じたのが暗めのヘアカラーの発色の良さです。
ベースが明るめな髪の毛な方がアディクシーカラーの13トーンや9トーンの薬剤ぐらいで透明感のあるヘアカラーを楽しむのももちろん綺麗でアリだと思うのですが、アディクシーカラーの真価は暗めでもしっかりとした色味を感じる事が出来るところにあると思います!
下記記事で使用例を紹介しています。
※実際にアディクシーカラーの「パープルガーネット」と「アメジスト」を使用した暗めなヘアカラーの記事はこちら→→→アディクシーパープルガーネットとアメジストMIXの暗髪ヘアカラーが艶々すぎる!
※実際に「グレーパール」と「アメジスト」を使用した記事はこちら→→→【アディクシーカラー】ブリーチなしで作るグレーパール+アメジストが透明感たっぷり!
※実際に「グレーパール」と「パープルガーネット」を使用した記事はこちら→→→【アディクシーカラー】暗めグレーパール+パープルガーネットが艶々すぎる!
※実際に「パープルガーネット」をメインで使用した記事はこちら→→→【アディクシーカラー】「パープルガーネット」でブリーチなしで黄色味を除去!
※実際に「シルバー」と「アメジスト」をメインで使用した記事はこちら→→→【アディクシーカラー】シルバーとアメジストでつくる極グレーヘア!
※実際に「コバルトブルー 」と「アメジスト」をメインで使用した記事はこちら→→→【2020春夏】アディクシーカラーのコバルトブルー+アメジストで艶々「ライトグレージュ」
さらに、美容師さん向けでお話しすると明るめヘアカラーへのアッシュ系カラーが緑っぽくなってしまう事があまりありません。
通常であれば黄色っぽいブラウンに抜けた明るめなヘアカラー(黄色)の方にアッシュ(青色)をそのままのせてしまうと(黄色+青色)で想像以上に緑っぽい失敗カラーになってしまう事も美容師界ではよく起きてしまうミスです。
しかし、アディクシーのアッシュ系カラー(特にサファイア)はその濃い青色が黄色までも飲み込んでしまうかのようなイメージで緑っぽさが他のカラー剤よりも出づらくてオススメです!
※もちろん黄色味が特に強い場合には、紫系カラーを配合するなどでそもそも緑っぽくならないように調整するのが大事です!
まとめ
発売以来、2020年現在でも非常に人気なカラー剤のひとつである「アディクシーカラー」。まだまだ人気が続きそうです!
美容師目線で特にアディクシーカラーがオススメな人とは・・・
- 髪の毛の赤みが嫌いな人
- 暗めでも綺麗にしっかりと色味を感じられる発色したい人
- 外国人風なヘアカラーが好きな人
是非挑戦してみてください。
ちなみにアディクシーカラーの公式インスタグラムアカウント@addicthy_colorでは実際にアディクシーカラーを使用したヘアスタイル写真がたくさんアップされているので参考にしてみて下さい!
また、今回紹介した「アディクシーカラー」の他にも全国的に大人気なオススメなカラー剤「イノアカラー」や「スロウカラー」についても別記事で紹介しています。
よろしければこちらの記事もあわせてご覧ください。